ジェンダーセレクション(性別の選択)は、赤ちゃんの性別を選びたいという患者さまによって利用されうる技術です。性別に特有の遺伝子異常や染色体異常を避けるために産み分けを行うご夫婦もいます。しかしそういった特別な場合を除くと、個人的な家族計画に基づいて男女の産み分けを行うことが多いようです。
男女の産み分けには二つの方法があります。その二つとは精子の選別と遺伝子検査です。
精子の選別では単純に、X染色体を持つ精子かY染色体を持つ精子、どちらかの受精の確率を選択的に上げることが出来ます。この選別には二つの技術が使われています。一つ目は、精子を洗い流し泳動の速さによって分別するというもので、(エリクソン・アルブミン法)と呼ばれています。この方法によって、おおよそ50%から80%の確率で望んだ性別が得られます。
二つ目の技術はMicroSort社によって開発されたもので、特許技術によって精子を重さ別に分類することが出来ます。同社の報告によると、X-染色体を持つ精子の抽出によって、精子全体の88%がX-染色体を持つ精子であるサンプルを作成することができ、結果として93%の赤ちゃんが女子であるとのことです。逆にY-染色体の抽出では74%のY-染色体精子割合により、82%の男子妊娠率を達成しているとのことです。

一方、着床前遺伝子診断(PGD)による男子産み分けが最も効果的な方法とされています。この方法では、胎芽を直接チェックして、X-X染色体(女子)とX-Y染色体(男子)のどちらを有するか確認します。この点で、どちらか一方の性別の確率を上げる精子の選別とは異なります。PGDでは、胎芽の分析はほぼ100%の正確さで行われ、臨んだ性別を持つ胎芽が女性の子宮で着床します。


着床前遺伝子診断とは

着床前遺伝子診断(PGD)とは、体外受精技術(IVF)と組み合わせて使う事の出来る技術で、子宮への輸送前に胎芽をチェックして遺伝子異常がないかを確認できます。遺伝病の可能性を懸念するご夫婦は、PGDによって、赤ちゃんの感染のリスクを下げることが出来ます。また、遺伝子異常による妊娠損失を繰り返したことのあるご夫婦や、既に遺伝子異常のあるお子さんがいて、次の赤ちゃんもそうなる可能性の高い場合にPGDはお勧めされます。


PGDはハイパワーの顕微鏡を使って行われます。胎芽からいくつかの細胞を取り出し、調べたい遺伝子の性質を検査します。異常のない胎芽が選択され、異常のあるものから選り分けられたうえで、子宮に輸送されます。
当院では、ラボ専門技術者が受精後3日目の多細胞胎芽(多くの場合、それぞれの胎芽から1つずつ細胞を切り取ります)か、5日6日目の胚盤胞(複数の細胞が切り取られます)に対し、生体検査を行います。切り取られた細胞は当院の胎生学チームによって、ご希望のPGDの種類を考慮したうえで取り扱われます。ご夫婦がPGDを希望される理由次第で、以下の種類の分析が可能です。

  • 特定の遺伝病についての単一遺伝子検査。(嚢胞性線維症、脆弱X染色体、筋強直性ジストロフィー、サラセミア、テイサックス病など)
  • 異数性スクリーニングについてのFISH法検査。複数回の妊娠損失の経験がある場合や、母体の年齢が高い場合に有効です。FISH法は、一部(すべてではありません)の染色体を分析します。
  • 異数性スクリーニングについての同時複数比較ゲノムハイブリダイゼーション検査。複数回の妊娠損失の経験がある場合や、母体の年齢が高い場合に有効です。この方法では、すべての染色体を分析します。

PGDでは様々な恩恵を受けられる一方、リスクも伴います。当院の医師が、患者さまと十分に相談して方針を決定します。

注:このサービスは2015年4月以降に開始されます。